ピアニスト/列車に乗った男/動物、動物たち/パラノイドパーク

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ピアニスト(ミヒャエル・ハネケ/2001年/フランス・オーストリア
もう勘弁してください…と頭を抱えながら観ました。ここか、と見当つけてるところとは別の角度からぶっ飛んでくるミヒャエル・ハネケの魔球。途中までそのことに気づかず、この俳優ちょっとプルシェンコに似てるかも、なんてぼんやりしていてえらい目に合いましたよ。妄想が現実になっても思い描いていたものとは違うってこと。最後も彼を◯○ことを妄想してたけど、やっぱり現実には出来ずに自分の胸の苦しみをまぎらわすためにしたことかなって。でもすごい映画なのは間違いないし、監督の思惑にはまって鑑賞出来たと思う。
列車に乗った男パトリス・ルコント/2002年/フランス)
ずいぶん前にパトリス・ルコントの映画を観て、苦手だな〜って思って以来避けてましたが、これ!なかなかいいじゃん!特に『ピアニスト』を観てライフポイントがわずかになった後だったので、この映画の居心地の良さにしみじみしてしまいました。ジャン・ロシュフォールジョニー・アリディ、このふたりが別々に生きてきたそれぞれの人生、そして偶然出会って起こる化学反応みたいなものをほんのわずかな会話だけで感じ取ることができました。もっとずっとこのふたりを見ていたかった。
動物、動物たちニコラ・フィリベール/1994年/フランス)
動物園の話かと思ってたら、博物館の改修工事のドキュメンタリーでした。それぞれの担当者によって、生前の姿を取り戻す剥製たち。中身をきれいに取り除かれセーターのように折り畳まれていくセイウチ(?)や、念入りに色塗りや形を整えられるもの、ひとつひとつ慎重に羽をひろげて飾られる蝶たち、どういう展示にするかの話し合い。撮ってる側を感じさせるものや下手な質問で何もかもぶちこわしにするインタビューなんてものは一切なく、ただ淡々と作業が進められる様子を丁寧に描いている。こういうドキュメンタリーが好きだなって思う。『音のない世界で』『ぼくの好きな先生』に続き、ニコラフィリベール監督作品を今後も観ていきたい。
パラノイドパークガス・ヴァン・サント/2007年/フランス・アメリカ)
パリ・ジュテームでの作品が好きだったので、観てみました。ちょっと映像が凝りすぎじゃないかと思ったり退屈もしたんだけど、なんかよかったです。映画全体が主役の男の子の心情をあらわしているようで、もや〜っと場面が漂ってる感じ、異物として写るガールフレンド、親の不在感など、説明的でなく肌で感じ取れるような。こういう風に撮るのは難しいのか意外と簡単なのかわからないけど。