ペルセポリス/アマチュア/密告

●ペルセポリス（マルジャン・サトラピ/2007年/フランス）★★★★☆
アニメーションの抽象的で繊細な表現によって、実写よりダイレクトに状況や気持ちが伝わってきました。常識や善悪が簡単に覆ってしまう時代に自分しっかり持つのは難しい。私が子供の頃にイランとイラクはずっと戦争していたので、世代が近いせいか、環境はずいぶん違えども同じようなとこもあるなって。戦後（かな？）イスラム教の規律は急に厳しくなったようなんだけど、いったい誰が決めてるんだろう。声優は、カトリーヌ・ドヌーブと本当の娘さんが親子を演じてる。
●アマチュア（クシシュトフ・キェシロフスキ/1979/ポーランド）★★★☆☆
正直なところ、全シーン映画にのめりこんでく男の滑稽さやダメっぷりばかりが印象に残りました。それだけでも楽しめましたが、それだけの映画じゃないはずです…。そもそも男がどうしてそんなに映画にのめりこむのかわかるようでわからず、（子供が産まれるときほど）映画に愛を持って打ち込んでるようには思えなかった。最後、まわりの人にもたらす影響力の大きさに気づいていく男のとまどいが良かった。
●密告（アンリ・ジョルジュ・クルーゾー/1943年/フランス）★★★☆☆
こういう誰が犯人かっていうのって、あの人かな、いいやこの人かな、という意識が先に立って、よくある二時間サスペンスとかと同じ気持ちで見てしまいました…。だめだなぁもう。サスペンス調でないこの監督の作品があればぜひ観てみたい。あの姉妹の妹の方、大島弓子の漫画に出てきそうでかわいかったな。