ベルリン天使の詩/鬼火/恋人たち/パリ、ジュテーム

ベルリン・天使の詩 [DVD]鬼火 [DVD]恋人たち [DVD] (HDリマスター版)パリ、ジュテーム プレミアム・エディション [DVD]
ベルリン天使の詩ヴィム・ヴェンダース/1987年/フランス・ドイツ)★★★★★
ずいぶん前に観た時、なんだろうこれは…と思いつつ、観ている間ずっと苦しくそれでいて幸せだった記憶があります。今回改めて観て、やっぱり同じような印象を。ひとつ違うのは、あの心地よいけど泣きたくなるようなドイツ語が続く中、とつぜん聞き慣れた言語が聞こえてきて、救われた気がしたこと。マリオンの心の声でした。後で人物紹介を見て、これが映画初出演だったこと、8週間であのサーカスの技を身につけたこと(てっきり本物のブランコ乗りと思ってました)ヴェンダースのパートナーだったってことを知りました。本当にあるって信じられる世界。
鬼火(ルイ・マル/1963年/フランス)★★☆☆☆
最初はいいかもと思って観てました。ルイ・マルだし。でも途中から、あの銀行員の紙幣の数え方がかっこいいとか、リュクサンブール公園の椅子って日本のベンチのように固定されてなくて合理的だとか気が散り始め、後半は面倒くさい人間関係だとか(誰ひとり知らないパーティーに呼ばれた気苦労)面倒くさい描写の連打だとか…思ってはいけませんか、フランス映画で。
恋人たち(ルイ・マル/1958年/フランス)★★☆☆☆
最初はまあまあいいかとも思って観てました。ジャンヌ・モローだし。彼女がそんなに好きってわけじゃないけど、その存在感で画面を見ていられる。でも途中から、そんなんどうでもええわていう場面が長々続き、心底うんざりしてしまいました。恋愛に溺れるモローを描きたいだけだったのかな。それにしても説得力もないし、モローが恋してるように見えなかったし、あんな男についていくわけがないっていうかもうどうでもいい。
パリ、ジュテーム(2006年/フランス)★★★★☆
約5分×18監督の、人生の切れ端を集めたようなオムニバス。すっと心に入ってくるものや、ぼんやり観ていられないものまで、どれもこれもおもしろかったです。特にガス・ヴァン・サントアレクサンダー・ペイン監督のものが良かった。はっきりこれを表現したい伝えたいってものより、何かの予感や気配みたいなものをそうとは気づかず感じさせるようなものが好きかも。良い悪い関係なく印象に残っているのは、「一緒に帰るか」と言ってくれたじいちゃん、パントマイム車、吸血女の去って行く後ろ姿、子守唄、救急隊員の女性、ファニー・アルダンでした。