ぼくセザール10歳半1m39cm/恐怖の報酬/霧の波止場

ぼくセザール10歳半 1m39cm スペシャル・エディション [DVD]恐怖の報酬 [DVD]霧の波止場 [DVD]
ぼくセザール10歳半1m39cm(リシャール・ベリ/2003年/フランス)★★★★☆
最初の傘のシーンでこれは好きかもって予感がしたとおり、すっごく良かったです。こういう子供目線の映画にありがちな、辛い現実とどう向き合うかとかいう面倒なこともおもしろく描けてたし、いろいろ話が詰め込まれているのに無駄なシーンもなくちゃんと整理されていて、どのシーンもおもしろかった。後であのぶっ飛んだ女性がアンナ・カリーナって知って、ぶっ飛んだ。この監督の映画をもっと観たい。
恐怖の報酬(アンリ=ジョルジュ・クルーゾー/1953年/フランス)★★★☆☆
怖い映画は苦手だけど勧められたので泣く泣く。そりゃニトロ(わずかな振動で爆発する液体)をトラックで運ぶってシチュエーションも怖いけど、四人の男達の恐怖っぷりが怖かったです。でもその極限状態での人間模様が素晴らしかった。酒場の喧嘩では根性負けしたルイージがいざ命に関わる状況になると勇敢に行動出来て、反対に勝ったジャンは怖じ気づいてどんどん心が折れていくという。イブ・モンタン演じる男はいろんな面ですごいんだけど、なんだかもうどうしたいのかわかんなかったなぁ。
霧の波止場(マルセル・カルネ/1938年/フランス)★★★★☆
うわ〜、良い映画だったよ〜。霧の風景もセリフも俳優もすべてが詩のようでした。だからこれはなにがどうなるってわけでもない、ただ通りすぎてゆく物語って感じがとても良かった。主人公はなんでそんなに見知らぬ人達から(犬からも)無条件で優しくされるんだろうとは思ったけど…その彼、最初見たとき、まさかこの地味な人があの有名なジャン・ギャバンでこの物語の主役ってわからなかった。パナマパナマに集まる人々の存在感。ミシェル・モルガンの登場シーン、あのコートとベレー帽含めハッと息をのんだ。名作って言われてるものの中にも、私が退屈せず観られるものがあるんだな。