ふたりの5つの分かれ路/リスボン特急/トムとトーマス/ショー・ミー・ラヴ

ふたりの5つの分かれ路 [DVD]リスボン特急 【プレミアム・ベスト・コレクション】 [DVD]トムとトーマス [DVD]ショー・ミー・ラヴ [DVD]
ふたりの5つの分かれ路フランソワ・オゾン/2004年/フランス)★★★☆☆
冒頭、ふたりが決定的にダメなんだってとこを見せられてから、別れた原因はなんなのか探る感じで時間が徐々に巻き戻ります。でも男性が前の彼女と付き合ってた時、気のせいかと思うくらいのささいなくり返しのシーンが(対マリオンでも)あったので、もう付き合う前からダメだったんじゃないか、とすら思われました。とはいえ最後は出会ったところ、幸せなふたりで終わりました。その最後と最初の男女がとても同じ人物とは思えず、俳優ってすごい、恋愛ってすごいな〜と。
リスボン特急(ジャン=ピエール・メルヴィル/1972年/フランス)★★★★☆
アラン・ドロンカトリーヌ・ドヌーブ以外の俳優さんの区別がつかなくて、誰が刑事で誰と誰が組んでるんだかもうわけがわかんなかった。わかんなかったんだけど、最初の強盗シーンの緊迫感、ほとんど視線でかわされる会話、ゆったりとした映像、エンドロールの強引なドロンのアップとIsabel Aubretの歌声(→You tube)に、なんだかとっても良い映画を観たような気になってしまいました。ヘリコプターのところ、あの念入りなお着替え(しかも2回)とでっかい磁石には笑った。
トムとトーマス(エスメラ・マーズ/2002年/ニュージーランド・オランダ)★★☆☆☆
完全ジャケ観です。お互いの存在を知らず離ればなれで育った双子、ってテーマは好きではあるのですが、ハラハラしたり虐待されたりする物語は苦手なので、早送りで観ました…すみません。
ショー・ミー・ラヴ(ルーカス・ムーディソン/1999年/スウェーデン)★★★☆☆
スウェーデンで、あの「タイタニック」を超える大ヒット!』という宣伝文句に、いいんだかどうだか判断不能ながらも観てみました。ティーンの物語だからって音楽が前に出すぎてないのと、女の子たちの繊細な描写、親たちの子供に対する接し方が良かった。スェーデン語、かわいいくてずっと聞いていたい。けどこのジャケットは、いろいろどうかと思う。

西の魔女が死んだ/2046/トンマッコルへようこそ/Etre et avoir ぼくの好きな先生

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西の魔女が死んだ長崎俊一/2008年/日本)★★☆☆☆
素敵なおばあちゃんとお庭ってターシャ・テューダーさんみたいな?と前から気になっていた映画です。でも全然物語に入れませんでしたよ…。こないだ観た『ベルヴィル・ランデブー』と比べるのもなんだけど、このおばあちゃんと孫は大事なことも何もかも言葉にしすぎるように思えました。特に子供がちゃんと整理された意見をすらすら述べるのには…。結局、主人公が何を学んで何が変わったのか、わかりませんでした。
2046(ウォン・カーウァイ/2004年/香港)★☆☆☆☆
昔の恋人と再会したら、なんでこんな人すきだったんだろう…という幻滅。欲望の翼天使の涙ブエノスアイレス、と、どれも割と好きだったと思うのに、そんな幻想吹っ飛びました。『花様年華』と関係あるにしても、まさかこのような映像や言葉を良しとする人だったとは。
トンマッコルへようこそパク・クァンヒョン/2005年/韓国)★★☆☆☆
想像通りの映画でした。それぞれのキャラクターははっきりしてて良かったです。途中あのマスコットガール的女の子が◯○する意味が分からないのと、後半の戦闘シーンが長すぎて前半の良い所も忘れてしまいました。
Etre et avoir ぼくの好きな先生(ニコラ・フィリベール/2002年/フランス)★★★★☆
フランスのオーベルニュ地方にある小学校、3才から11才までの子供たち(13人)が、ロペス先生の教室で一緒に学んでいる様子を描いたドキュメンタリー。合間に、厳しくも美しい大自然やら、先生と生徒の親密な対話とかが入ります。学ぶっていうことの意味すらわからない子供たちに熱心に穏やかに教えるロペス先生、とても居心地よい映画でした。同じ監督の『音のない世界で』も好き。

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映画を楽しめないのは、自分に問題があるとも思う。2046に関しては、最初の監督含む出演者の名前がでかでかと出てきた瞬間すでに観たくない気持ちになったし…。

ベルヴィル・ランデブー/輝ける女たち/アニー・ホール/カポーティ

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ベルヴィル・ランデブーシルヴァン・ショメ/2002年/フランス)★★★★★
退屈だったらどうしよう…と失礼なことを思いながら観はじめましたが、すっごく良かったです。ほとんど映像と音楽(と歌)のみのアニメーション。言葉って便利だけど、言葉にしない思いの深さにはかなわない。おばあちゃんと犬を見ているだけで楽しいのと、何?と思わせておいて忘れた頃にさりげなく種明かしのテンポ良い展開に無理なく物語へ入っていけました。それぞれのキャラクターも音楽もバッチリ決まってた。食べ物が不味そうなのも媚びてなくていい。
輝ける女たち(ティエリー・クリファ/2006年/フランス)★★★☆☆
家族と遺産相続テーマのフランス映画って、わりと好きです。みんなでもめながら認め合ってる感じもほほえましい。カトリーヌ・ドヌーブとエマニュエル・べアールの共演!みたいなのを期待して観たけど、どうだろう…ふたりは重要な役かもしれないけど、主役ではないような気がしたし、存在感があるだけになんか取ってつけたようだなと感じてしまいました。でも、全体的にしらじらしくなく、ちゃんと観れました。ていうか、前に観た気がする。また忘れて観そうな気もする。
アニー・ホールウディ・アレン/1977年/アメリカ)★★★☆☆
そういえばウディ・アレン、と思い出して観てみました。ずいぶん前に何本か観て(何だったかな)嫌いじゃなかった気がして。ダイアン・キートンウディ・アレンと出会ってはにかみながらうれしそうにしているところと、ウディ・アレンが別れて後悔してるところと、通りすがりの人達から唐突に助言をもらうところが好き。しみじみ良い映画だな〜ってわけでもないけど、嫌いじゃないです。時々観たい。
カポーティベネット・ミラー/2005年/アメリカ)★★★☆☆
カポーティがダントツ好きだった時期があります。でも伝記映画に出ている俳優たちの、本人に成りきる熱演!が怖くて、大丈夫かなぁと思いながら観ました。(大好きなロバートダウニーJr.の「チャップリン」とか、怖くて観れないなぁ…)個人的には、銀河テレビ小説まんが道」での江守徹の演じた手塚先生とか、顔は似てないけど存在感は似てる、みたいなのが良いと思う。で、カポーティ演じるフィリップ・シーモア・ホフマンも映画自体も素直に観れました。たぶん作り手の思った通りの受け方が出来たと思う。

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同時に何本か借りて観てると、時々内容がシンクロしてておもしろい。今回は、2本が劇場の話だったし、サメは泳ぎを止めると死ぬ、と言う言葉が「輝ける女たち」と「アニー・ホール」に出てきた。あと、「アニーホール」にはカポーティー(のソックリさん(とウディ・アレンが決めつけただけの人))も。

秘密の花園/アイアンマン/薬指の標本/裸の十九歳

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秘密の花園(アニエシュカ・ホランド/1993年/アメリカ)★★★★☆
ずいぶん前に観て、良かった記憶があるのでもう一度確認。いろいろ、ん?と思うところはあるけど、ともかくこの映画も原作も大好きです。茂みを抜けたところの白い馬、走って向こうへ行ってしまうママ、お屋敷に響く物音など(今はこれしか思い出せない)言葉では表現し難いものを、感じさせてくれるのが映画ですね。とはいえ、メアリーが言葉で話す花園の様子をベッドで目をつぶって聞くコリンの想像するものを想像して、うっとりもした。
アイアンマン(ジョン・ファヴロー/2008年/アメリカ)★★★★☆
Myヒーロー、ロバートダウニーJrが本物のヒーローだって? と、軽い気持ちで観てみました。ともかくビックリです…たいていのヒーローが苦もなく手に入れるはずのスーツをまさかの手作り。しかもスクラップから作った初号期の本物感、試作試作を重ねてグレードアップした超かっこいい新型。ある日突然魔法みたいな超人能力を手に入れるのではないというか悪者に圧勝ってわけじゃない現実味のある戦いぶり、今までのヒーロものの主役とは全然結びつかないロバートダウニーJr、に単純に愛と勇気だけが友達じゃない真のヒーローの姿を見た気がします。
薬指の標本(ディアーヌ・ベルトラン/2005年/フランス)★★☆☆☆
主人公の心情やらなんやらをすべて音楽で入れてくる作戦に、始まって3分くらいで観る意欲をなくしました。映像が控えめで静かな感じなのに、ともかく音楽がいろいろ語りすぎてバランスが悪い気がしました。でもこの映画で小川洋子さん(読んだ事ない)がフランス人に人気のある理由がわかった気がしました。あと、この映画はほとんどの方が絶賛&特に音楽が素晴らしいとのことなので、私の脳がバカになってると思うのです。
裸の十九歳(新藤兼人/1970年/日本)★☆☆☆☆
若かりし頃の原田大二郎はとてもこの役柄と合ってると思いました。観る前にこれが実話を元にした映画だと知っていたらもうちょい別の見方が出来たんだけど、話の流れに耐えられなくて途中で観るのを止めてしまいました。ごめん。

シャーロック・ホームズ/非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎/エトワール

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シャーロック・ホームズガイ・リッチー/2009年/アメリカ)★★★★☆
ホームズ役の方がかなり良かったです。惚れたな〜。最初はホームズってより、マーロウじゃ?と思ったけど。いつもならちょっと苦手な作り込まれた世界も、ピタゴラスイッチ的アクションも、現実味をぎりぎり保って説得力があったし、そこにあるものが嘘っぽくなかった。物語自体は度肝を抜かれるものではなかったけど、ホームズとワトスンのコンビがとっても気に入ったので満足です。音楽も効果的に使われてて、映像とぴったり合ってた。他の配役も安定感ありだったので、ぜひシリーズ化して欲しいです。
非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎(ジェシカ・ユー/2008年/アメリカ)★★★☆☆
一時期話題になったヘンリー・ダーガーの、死後発表された19歳から60年間生涯描き続けた物語「非現実の世界」と本人の生い立ちを重ねてのドキュメンタリー。ヴィヴィアン・ガールズたちと子供を奴隷にしようとする側(かな)とのすさまじい戦いとファンシーな描かれ方の絶妙なコラージュ。ヘンリーと彼が生涯信仰しつつも時々罵倒したりするキリストとの関係が興味深かった。
エトワール(ニルス・タヴェルニエ/2000年/フランス)★★☆☆☆
インタビューも平凡だし、あまりにも全体的にバラバラ視点がいくし、撮影者が何に興味があって何を撮りたいのかともかくなんにも感じなかった。でも、まあバレエのドキュメンタリーは観てるだけでわくわくするので、素人が撮ったってなんだっていいんだ。ダンサーたちの、あの不思議な重ね具合の練習着が好き。知性と体力が年とともに反比例していく、という言葉が心に残った。

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今回より、気になる俳優さんの似顔絵を描いてみることにしました。今回はこの人→

ベルリン天使の詩/鬼火/恋人たち/パリ、ジュテーム

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ベルリン天使の詩ヴィム・ヴェンダース/1987年/フランス・ドイツ)★★★★★
ずいぶん前に観た時、なんだろうこれは…と思いつつ、観ている間ずっと苦しくそれでいて幸せだった記憶があります。今回改めて観て、やっぱり同じような印象を。ひとつ違うのは、あの心地よいけど泣きたくなるようなドイツ語が続く中、とつぜん聞き慣れた言語が聞こえてきて、救われた気がしたこと。マリオンの心の声でした。後で人物紹介を見て、これが映画初出演だったこと、8週間であのサーカスの技を身につけたこと(てっきり本物のブランコ乗りと思ってました)ヴェンダースのパートナーだったってことを知りました。本当にあるって信じられる世界。
鬼火(ルイ・マル/1963年/フランス)★★☆☆☆
最初はいいかもと思って観てました。ルイ・マルだし。でも途中から、あの銀行員の紙幣の数え方がかっこいいとか、リュクサンブール公園の椅子って日本のベンチのように固定されてなくて合理的だとか気が散り始め、後半は面倒くさい人間関係だとか(誰ひとり知らないパーティーに呼ばれた気苦労)面倒くさい描写の連打だとか…思ってはいけませんか、フランス映画で。
恋人たち(ルイ・マル/1958年/フランス)★★☆☆☆
最初はまあまあいいかとも思って観てました。ジャンヌ・モローだし。彼女がそんなに好きってわけじゃないけど、その存在感で画面を見ていられる。でも途中から、そんなんどうでもええわていう場面が長々続き、心底うんざりしてしまいました。恋愛に溺れるモローを描きたいだけだったのかな。それにしても説得力もないし、モローが恋してるように見えなかったし、あんな男についていくわけがないっていうかもうどうでもいい。
パリ、ジュテーム(2006年/フランス)★★★★☆
約5分×18監督の、人生の切れ端を集めたようなオムニバス。すっと心に入ってくるものや、ぼんやり観ていられないものまで、どれもこれもおもしろかったです。特にガス・ヴァン・サントアレクサンダー・ペイン監督のものが良かった。はっきりこれを表現したい伝えたいってものより、何かの予感や気配みたいなものをそうとは気づかず感じさせるようなものが好きかも。良い悪い関係なく印象に残っているのは、「一緒に帰るか」と言ってくれたじいちゃん、パントマイム車、吸血女の去って行く後ろ姿、子守唄、救急隊員の女性、ファニー・アルダンでした。

グラントリノ/潜水服は蝶の夢を見る/ぼくの伯父さん/エヴァの匂い

グラン・トリノ [DVD]潜水服は蝶の夢を見る [DVD]ぼくの伯父さん [DVD]エヴァの匂い ― オリジナル・サウンドトラック
グラン・トリノクリント・イーストウッド/2008年/アメリカ)測定不能
気になっていたクリント・イーストウッドの映画を観てみました。この主役のじいちゃんがイーストウッドかぁ…。私の苦手なものがたくさん出てきて途中かなりつらくなりつつ、どう決着つけるのか気になって最後まで。素人っぽい人達ばかりだし、よくありそうな話のようなのに、不思議と良い映画だったと思う。なんでだろう。イーストウッドの漫画みたいな動きとセリフの簡潔さがすごい。かっこいい。
潜水服は蝶の夢を見るジュリアン・シュナーベル/2007年/フランス)★★★☆☆
実話が元になっている映画の良いところは、観る人にどう思わせたいかっていう意思(権利?)みたいなものが作る側にないことかな。少なくともこの映画は素直に観る事ができてよかったです。原作を読んでみたい。
ぼくの伯父さん(ジャック・タチ/1958年/フランス)★★★☆☆
前に観た時はちゃんと観れてなかったので、もう一度。あの近代的なお家は100年後見ても近代的だと思うだろうな。伯父さんのアパートの内部構造がかわいすぎ。揚げパンおいしそうすぎ。けれど、30分くらいの短編でお願いします…。
エヴァの匂い(ジョセ・フロージィ/1962年/フランス)★★★☆☆
絶対ムリとわかってても追いかけたい人がいるって幸せじゃなかろうか。主役の彼はどんどん破滅へ向うのに、冒頭の何もかも上手くいってるときより、なんだか幸せそうに思えた私は何かの病かしら。ジャンヌ・モローはいいなぁ。口角の下がった口元も、ぜんぜん色気のない体も、下品すれすれの振る舞いも。ただもっともっと魅力的に撮れたんじゃないかというのと(監督すらモローを恐れていたように思う)、あのレコードうんぬんとか音楽がオシャレすぎるように思えた。

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先週はいつものようにDVDを借りていたので観ましたが、しばらく映画を観れる心境じゃないかもです…。